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『トーマの心臓』(トーマのしんぞう)は、萩尾望都による日本の漫画作品。 == 概要 == 漫画雑誌『週刊少女コミック』1974年19号から52号に連載された作品で、フランス映画『悲しみの天使』をモチーフとして〔『萩尾望都マンガの魅力』(鈴木志郎康著 清山社 1978年)のインタビューより。〕〔『トーマの心臓1』(小学館文庫・旧版 1980年)の作者あとがきに「いつだったか、ディディエ・オードパン主演の『悲しみの天使』という、男子寮を舞台にした友愛(?)映画を見たのですが(中略)、見ていた私は自殺した少年に同情するあまり立腹し、“恋愛の結果一方が自殺し、一方が「悪かった」と後悔して、そしておしまい、なんて、どうもその後が気になってしまう”といらだち、“じゃあ、誰かが自殺したその時点から始まる話をつくってみよう”というのでつくった話が実は『トーマの心臓』です」と記載されている。〕ドイツのギムナジウム(高等中学)を舞台に〔『萩尾望都マンガの魅力』(鈴木志郎康著 清山社 1978年)のインタビューで萩尾は「ギムナジウムを舞台にしたのは、ヘッセを読んで以来、ドイツという国にあこがれていましたので……」と語っている。〕、人間の愛という普遍的かつ宗教的なテーマを描いた〔『トーマの心臓』のテーマについて、萩尾は「テーマはですね、いつ人は愛を知るのか、愛に目覚めるのか」と語っている。(『文藝別冊〔総特集〕萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母』(河出書房新社 2010年 ISBN 9784309977348)に収載されているマット・ソーンの評論「萩尾望都と私とシンクロニシティと」より)〕〔『萩尾望都マンガの魅力』(鈴木志郎康著 清山社 1978年)のインタビューで萩尾は「その後イギリスへ旅行して、『ジーザス・クライスト・スーパースター』の映画をみました。これでキリスト教と、宗教の救いについていろいろ考えて、そして、やっと『トーマの心臓』の結末が頭に浮かびました。」と語っている。〕〔朝日新聞(1994年3月9日)の「むかし少年 もと少女」のコーナーでは、作者は「中学生のころ、ひたすら「いいひと」になりたかった。それをテーマにしたのが『トーマの心臓』です。完ぺきな善人を目指した神学校の優等生の、挫折と成長を描いた物語です。」と記している。なお、ユーリは作品のラストでシュロッター・ベッツから神学校に転校していくので(作品中ではまだ神学校の生徒にはなっていないので)、その点で作者の記述には混乱が見られる。〕。連載初回の読者アンケートが最下位だったため、編集長から打ち切りを宣告されたが、「もう少しで終わりになるから」とかわしているうちに『ポーの一族』が単行本化され、初版3万部が3日で完売し、『トーマの心臓』の評判も上がり連載は最終回の33回まで続くこととなった〔『grape fruit(グレープフルーツ)』(新書館)に1981年7月に掲載されたエッセイ「しなやかに、したたかに」より。エッセイ集『思い出を切りぬくとき』(あんず堂 1998年 ISBN 4872822315、河出文庫 2009年 ISBN 4309409873)に収載されている。〕。 番外編に「訪問者」「湖畔にて - エーリク 十四と半分の年の夏」、姉妹編に「11月のギムナジウム」「小鳥の巣」(ポー・シリーズ)がある。舞台・映画化もされており、2009年には萩尾望都のファンであることを公言している小説家・森博嗣によりノベライズ化された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トーマの心臓」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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